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バルサン前の完璧な準備マニュアル【一軒家編】
一軒家でバルサンを使用すると決めたなら、その成功は、事前の「準備」で9割が決まると言っても過言ではありません。部屋数が多く、物も多い一軒家では、マンション以上に、丁寧で徹底した準備作業が求められます。この工程を疎かにすると、効果が半減するだけでなく、思わぬトラブルを引き起こす原因ともなりかねません。まず、第一に行うべきは、「家の密閉」です。窓や換気口、通気口など、屋外と繋がる全ての開口部を、完全に閉め切ります。これにより、殺虫成分が屋外に漏れ出すのを防ぎ、家の中の隅々まで薬剤を行き渡らせます。次に、薬剤が家の中をスムーズに循環できるように、「隠れ家を開放」します。クローゼットや押し入れ、戸棚、引き出し、シンク下の収納など、害虫が潜んでいそうな場所の扉は、全て全開にしてください。これにより、普段は薬剤が届かない密閉空間の奥深くまで、煙や霧を浸透させることができます。そして、最も重要なのが、「薬剤から守るべきものの養生」です。まず、火災報知器やガス警報器は、煙や霧に反応して誤作動を起こすため、必ず付属の専用カバーをかけるか、ビニール袋とテープで隙間なく覆います。食器や食品、調理器具は、新聞紙やビニールで覆うか、戸棚の中にしまいます。テレビやパソコン、オーディオ機器といった精密機器も、故障の原因となる可能性があるため、同様にカバーをかけましょう。ペット(犬、猫、小鳥、ハムスターなど)は、必ず屋外へ避難させます。水槽で飼っている魚やエビも例外ではなく、水槽全体をビニールで覆って密閉し、エアポンプを止める必要があります。観葉植物も、薬剤がかかると枯れてしまうことがあるため、ベランダなど屋外に出しておきましょう。これらの地道で面倒な準備作業を、一つひとつ丁寧に行うこと。それが、一軒家という複雑な空間で、バルサンを安全かつ効果的に使用するための、絶対条件なのです。