ハチに刺される事故を防ぐためには目の前に現れたハチや見つけた巣がどの種類のものであるかを瞬時に見分ける知識が不可欠であり特に日本の住宅地で頻繁に遭遇するスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの三種の違いを理解することは身を守るための基本スキルと言えます。まず最も危険な「スズメバチ」ですが彼らの特徴はなんといってもその太くて直線的な飛び方とオレンジがかった黄色と黒の警告色です。オオスズメバチやキイロスズメバチは体格ががっしりしており飛行スピードも速く羽音も大きいです。彼らの巣は初期にはトックリ型をしていますが成長すると独特のマーブル模様を持つボール状になり出入り口は一つしかありません。このボール状の巣を見つけたら即座に退避し専門業者を呼ぶべきサインです。次に「アシナガバチ」ですが彼らはスズメバチよりも体が細くその名の通り長い後ろ足をだらりと垂れ下げてフワフワと漂うように飛びます。色は種類にもよりますが黒と黄色の縞模様があり一見スズメバチに似ていますが顔つきはやや穏やかです。巣の特徴はシャワーヘッドやお茶碗を逆さにしたような形で六角形の巣穴が外から丸見えになっている点です。グレーや薄茶色の和紙のような素材でできており軒下や植え込みの中によく作られます。危険度は中程度ですが刺激しなければ共存も可能です。最後に「ミツバチ」ですが彼らは全体的に丸っこく毛深く体長も一センチちょっとと小型です。飛び方は花から花へと細かく移動する感じで攻撃性は非常に低いです。巣は閉鎖空間を好み屋根裏や床下、木の洞などに作られることが多く巣板と呼ばれる板状の巣を何枚も垂れ下げる形をしています。彼らの巣からは甘い匂いがすることもあり排泄物による汚れが問題になることもあります。遭遇時の対処法としてスズメバチの場合は目を合わせず姿勢を低くしてゆっくりと後ずさりすることが鉄則ですがアシナガバチやミツバチの場合は手で払ったりせず静かにしていれば向こうから去っていくことがほとんどです。最もやってはいけないのは大声を出して腕を振り回すことでありこれはすべてのハチに対して「攻撃開始」の合図を送るようなものです。また黒い服や香水などの強い匂いも彼らを刺激する要因となります。これらの特徴を頭に入れておけばいざという時にパニックにならず冷静な判断ができるようになり無用な殺生や怪我を避けることができるでしょう。ハチの世界にも多様な個性がありそれぞれに応じた付き合い方があることを知ることが安全なアウトドアライフや日常生活を送るためのパスポートなのです。