布団に潜む虫の被害に悩むあまり、良かれと思って取った行動が、実は全く効果がなかったり、逆にもっと深刻な事態を招いてしまったりする、残念な「NG行動」が存在します。ここでは、多くの人が陥りがちな、布団の虫対策に関するよくある間違いを解説します。正しい知識を身につけ、あなたの努力を無駄にしないようにしましょう。NG行動その1は、「布団を叩く」ことです。天日干しの際に、布団たたきでパンパンと叩くと、ホコリやダニがよく取れるような気がしますが、これは大きな間違いです。強く叩くことで、ダニの死骸やフンは、より細かく砕けて繊維の奥に入り込んでしまい、かえってアレルゲンを撒き散らすことになります。正解は、叩かずに、表面を優しく撫でるように掃除機をかけることです。NG行動その2は、「市販の殺虫スプレーを布団に直接噴射する」ことです。一般的な殺虫スプレーは、ゴキブリなどの硬い外骨格を持つ虫を対象としており、布団の繊維の奥に潜むダニには、薬剤が届きにくく、効果は限定的です。また、薬剤の成分を睡眠中に吸い込んでしまう可能性もあり、健康面でもお勧めできません。ダニ対策には、ダニ専用のスプレーや、くん煙剤を使用し、使用後は必ず換気と掃除機がけを行ってください。NG行動その3は、「刺された場所だけを見て、犯人を決めつける」ことです。前述の通り、ダニとトコジラミでは、駆除の難易度と方法が全く異なります。かゆみや発疹に悩まされたら、患部だけでなく、必ずシーツやマットレスの縫い目などをチェックし、トコジラミの痕跡(血糞など)がないかを確認する習慣をつけましょう。犯人を見誤ると、見当違いの対策に時間とお金を費やすことになりかねません。NG行動その4は、「トコジラミの被害を自力で何とかしようとする」ことです。スーパー耐性を持つ近年のトコジラミは、素人が市販の薬剤で根絶することは、ほぼ不可能です。中途半端な対策は、被害を他の部屋や、集合住宅の場合は隣家にまで拡大させる最悪の結果を招きます。トコジラミの疑いがある場合は、プライドを捨て、速やかに専門業者に相談すること。それが、被害を最小限に食い止めるための、唯一の正しい選択です。
布団の虫対策、やってはいけないNG行動