照明カバーの中の虫を、せっかくきれいに掃除しても、その侵入経路が開いたままでは、また数週間後、あるいは数ヶ月後には、同じ悪夢が繰り返されることになります。この不快な現象に終止符を打つためには、そもそも虫を「電気の中に入れない」ための、徹底した予防策を講じることが不可欠です。そのための対策は、大きく分けて二つのアプローチがあります。一つは、「照明器具そのものへの対策」。そしてもう一つが、「家全体への対策」です。まず、「照明器具そのものへの対策」です。虫の侵入経路となっている、照明器具本体の通気口や、カバーとの隙間を、物理的に塞いでしまいましょう。最も手軽で効果的なのが、「防虫ネット」や「目の細かい網戸の網」などを、適当な大きさにカットし、通気口の内側からテープなどで貼り付ける方法です。これにより、空気は通しつつ、虫の侵入を防ぐことができます。また、照明カバーと天井の間に隙間がある場合は、スポンジ状の「隙間テープ」を貼り付けることで、侵入経路を断つことができます。ただし、これらの対策は、熱がこもりすぎて、火災の危険がないかを十分に確認し、自己責任で行う必要があります。もう一つのアプローチは、より根本的な「家全体への対策」です。そもそも、家の外から中に虫が侵入してこなければ、照明に集まることもありません。網戸の破れを補修し、サッシの隙間をテープで塞ぐ。エアコンの配管の隙間をパテで埋める。換気口にフィルターを付ける。これらの、家の気密性を高める基本的な対策を徹底することが、結果的に、照明への虫の侵入を防ぐことに繋がります。さらに、照明の電球を、虫が寄りにくい「LED電球」に交換するのも、非常に効果的です。LEDは、虫が好む紫外線をほとんど放出しないため、照明に集まる虫の数を、劇的に減らすことができます。これらの対策を組み合わせることで、あなたの家の照明は、虫たちにとっての罠から、ただ部屋を明るく照らす、本来の姿を取り戻すことができるのです。