私が、ハッカ油というものに初めて興味を持ったのは、数年前に長男が生まれたことがきっかけでした。それまでの私は、ゴキブリ対策といえば、迷わず強力な殺虫スプレーや燻煙剤を選ぶ、典型的な化学薬品信者でした。年に二回、家中でバルサンを焚き、「これで完璧だ」と悦に入っていたものです。しかし、生まれたばかりの息子が、ハイハイを始め、床にあるものなら何でも口に入れてしまうようになった時、私の考えは一変しました。床や家具の隙間に残留する、目に見えない殺虫成分。それを、息子が吸い込んだり、舐めてしまったりするのではないか。そう考えると、これまで頼りにしてきた殺虫剤が、途端に恐ろしいものに見えてきたのです。かといって、ゴキブリ対策を何もしないわけにはいきません。赤ん坊がいるからこそ、衛生管理はより徹底しなければならない。そんなジレンマに悩んでいた時、インターネットで偶然見つけたのが、「ハッカ油」を使ったナチュラルなゴキブリ対策でした。「天然成分だから、子供がいても安心」。その言葉に、私は藁にもすがる思いで、薬局へ走り、ハッカ油と無水エタノール、スプレーボトルを買い揃えました。作り方は、驚くほど簡単でした。そして、完成したハッカ油スプレーを、キッチンの隅や、玄関、窓際にシュッと一吹きした瞬間、部屋中に広がる、あの爽やかで清涼感のある香りに、私はすっかり魅了されてしまいました。これまでの、ツンとした化学的な殺虫剤の匂いとは、全く違う。これなら、楽しみながら続けられるかもしれない。それ以来、ハッカ油スプレーは、我が家の必需品となりました。毎晩、キッチンの片付けが終わった後に、シンク周りにスプレーするのが、一日の終わりを告げる儀式のようになっています。もちろん、ハッカ油だけで完璧だとは思っていません。日々の掃除と、ゴミの管理。そうした基本的な対策の上に、この心地よい香りのバリアを張る。それが、今の私がたどり着いた、家族の安全と、家の平和を両立させるための、最適解なのです。
私がハッカ油でゴキブリ対策を始めた理由