抵抗力の弱い赤ちゃんや体の小さなペットがいる家庭においてバルサン霧タイプを使用することは害虫駆除の必要性と化学物質への不安というジレンマとの戦いでもありますが正しい後処理を行うことでそのリスクを最小限に抑え安全な環境を確保することは十分に可能です。赤ちゃんやペットは大人とは異なり床に近い位置で生活しハイハイをしたり床を舐めたり手を口に入れたりする行動をとるため床や低い位置にある家具に残った薬剤の影響をダイレクトに受けやすいという特徴があります。したがって彼らがいる家庭での後処理における最重要課題は「床の完全無毒化」にあります。通常の後処理では一度の水拭きで済ませるところを赤ちゃんやペットがいる場合は最低でも三回は拭くという覚悟が必要です。一回目は洗剤を使って油分と薬剤を浮かせ二回目は水拭きでそれらを拭き取り三回目は乾拭きで水分と残った微量の成分を完全に取り去るという工程を踏むことで安全性を飛躍的に高めることができます。使用する洗剤も化学成分の強いものではなく重曹水やセスキ炭酸ソーダなどの自然由来のものを選ぶとより安心です。また彼らが口に入れる可能性のあるおもちゃやぬいぐるみ、ペットの食器やベッドなどはバルサン使用前に別の部屋や密閉容器に避難させておくのが鉄則ですがもし出し忘れてしまった場合はおもちゃは洗えるものは全て洗い洗えないものはアルコール除菌シートで念入りに拭くか天日干しを行います。ペットのケージやキャットタワーなども複雑な形状をしており薬剤が溜まりやすいため掃除機と拭き掃除を組み合わせて徹底的にきれいにします。さらに換気に関しても通常より長く行うことが推奨され部屋の空気が完全に入れ替わったと確信できるまで赤ちゃんやペットを部屋に入れないようにしましょう。特に猫は肝臓の代謝機能の特性上特定の化学物質(ピレスロイド系など)に敏感である場合があるため使用したバルサンの成分表を確認し獣医師に相談するかあらかじめペットホテルに預けておくなどの対策をとるのが最も確実です。犬の場合も床の薬剤を舐めてしまうと嘔吐や下痢の原因になることがあるため掃除が終わるまではサークルに入れておくなどの隔離措置が必要です。バルサンを使用した当日の夜は赤ちゃんやペットの様子を注意深く観察しもし普段と違う様子が見られたら直ちに医師や獣医師に相談できるようにパッケージや成分表を手元に残しておくことも忘れてはなりません。守るべき小さな家族がいるからこそ害虫のいない清潔な環境を作りたいという親心や飼い主の愛情がバルサン使用の動機であるはずですからその後処理においても手間を惜しまず過剰なくらいの安全対策を講じることが彼らの健康と笑顔を守ることにつながるのです。