夏休みといえばキャンプやバーベキュー川遊びなど自然の中で過ごす機会が増える楽しい季節ですがそこには常にスズメバチのリスクが潜んでいることを忘れてはなりません。七月から八月にかけてスズメバチの巣は急速に拡大し働きバチの数も急増しています。この時期の働きバチは巣の中の幼虫に与える餌を確保するために朝から晩まで飛び回っており活動範囲も巣から数キロメートルに及ぶことがあります。彼らは肉食性であり昆虫やクモなどを狩りますが私たちがバーベキューで焼く肉や魚お弁当のおかずなども彼らにとっては魅力的なご馳走です。楽しい食事の最中に突然スズメバチが飛んできて料理の周りを旋回し始めたという経験をしたことがある人も多いでしょう。このとき絶対にやってはいけないのがタオルや手で激しく追い払うことです。横への素早い動きはスズメバチの攻撃本能を刺激しターゲットとして認識される危険性を高めます。もしハチが寄ってきたら動かずにじっとしているかゆっくりと身をかがめて去るのを待つのが賢明です。また甘い匂いにも敏感でありジュースやアルコールの空き缶を放置しておくとその中にハチが入り込み知らずに口をつけて唇や口の中を刺されるという最悪の事故も発生しています。空き缶は水ですすぐか袋に密閉してハチを寄せ付けないように管理する必要があります。さらに注意が必要なのは彼らの巣がある場所です。スズメバチの種類によって営巣場所は異なりキイロスズメバチなどは軒下や木の枝など高い場所に巣を作りますがオオスズメバチは土の中や木の根元などの地中に巣を作ることが多いです。ハイキング中や山菜採りの最中に地面の振動が巣に伝わると地中から怒り狂ったハチの大群が湧き出してくることがあります。草むらや藪の中を歩くときは足元に十分注意し不審な穴やハチの出入りがないかを確認しながら進むことが大切です。夏のスズメバチは秋ほど凶暴ではないと言われることもありますがそれはあくまで比較の話であり巣に近づけば容赦なく攻撃してくることに変わりはありません。特に子供は動きが予測不能でありハチを見つけると興味本位で近づいたり大騒ぎしたりしがちですので大人が常に周囲に気を配りハチの姿を見かけたら速やかにその場を離れるように誘導することが必要です。また万が一刺された場合に備えてポイズンリムーバー(毒吸引器)を携帯し最寄りの医療機関を事前に調べておくなどのリスク管理もアウトドアを楽しむための必須条件と言えるでしょう。自然界にお邪魔しているのは私たち人間の方であり彼らのルールに従って行動することが無用なトラブルを避ける鉄則なのです。
夏の行楽シーズンに潜むスズメバチの罠