近年、小児喘息やアレルギー性鼻炎の原因としてダニやハウスダストと並んで重要視されているのがゴキブリの糞や死骸に含まれるアレルゲンであり家の中にゴキブリがいることは単なる不快感だけでなく深刻な健康被害に直結する問題です。ゴキブリの糞は乾燥するとボロボロと崩れて微細な塵(ちり)となり空気中を漂いますがこの粒子を日常的に吸い込むことで体内の免疫システムが過剰反応を起こし咳やくしゃみ、目のかゆみ、皮膚炎などのアレルギー症状を引き起こします。特に免疫力の弱い小さな子供や高齢者がいる家庭では影響が出やすく「掃除をしても子供の咳が止まらない」という原因を調べたら家具の裏に溜まっていたゴキブリの糞が原因だったというケースも珍しくありません。アレルゲンとしてのゴキブリの糞は非常に強力で一度感作(アレルギー体質になること)されると微量な成分でも発作が起きるようになってしまうため徹底的な除去が必要です。清掃のポイントは「見えない場所」にこそあり普段動かさない冷蔵庫や食器棚の裏側、エアコンの上、カーテンレール、本棚の隙間などに長年蓄積された糞がないかを確認し定期的に掃除を行うことが重要です。フローリングの溝に入り込んだ糞も掃除機では吸い出しにくいため爪楊枝やブラシを使って掻き出し掃除機で吸うのではなく粘着テープなどで取り除くか雑巾で拭き取ります。布製品、例えばカーペットやソファに糞が付着してしまった場合は繊維の奥まで粒子が入り込んでいる可能性があるため表面を拭くだけでは不十分であり可能な限り洗濯するかスチームクリーナーを使って高温で殺菌・洗浄するのが理想的です。またエアコンの内部にゴキブリが侵入して糞をしている場合エアコンをつけるたびにアレルゲンを部屋中に撒き散らすことになるため吹き出し口から黒い粒が落ちてきたりカビ臭い風が出たりした場合はプロのクリーニング業者に依頼して分解洗浄してもらう必要があります。アレルギー対策の基本は「原因物質の除去」に尽きますがゴキブリの糞に関してはまずゴキブリそのものを駆除して新たな糞をさせないことが大前提となりその上で既存の汚れを完全に清掃するという二段構えの対策が求められます。家の中をどれだけきれいにしてもゴキブリがいる限りアレルゲンは供給され続けるため駆除と清掃はセットで行わなければ意味がありません。家族の健康を守るためにはあの黒い汚れを単なるゴミとして見るのではなく危険な汚染物質として認識し妥協のない清掃を続ける覚悟が必要なのです。