ふとキッチンの引き出しを開けたり冷蔵庫の裏を覗いたりした時に黒くて小さな粒が散らばっているのを見つけてこれは一体何のゴミだろうと首を傾げた経験がある人は少なくないでしょうがその黒い粒こそがあなたの家にゴキブリが住み着いていることを示す決定的な証拠である糞(フン)なのです。ゴキブリの糞は種類によって形状が異なり一般家庭によく出るクロゴキブリの糞は長さが一ミリから二ミリ程度の俵型や円筒形をしており表面に縦筋が入っていることもあって一見するとネズミの糞を小さくしたような固形物ですがチャバネゴキブリの糞はもっと小さく粒というよりは黒いインクを垂らしたような点々としたシミ状の汚れとして壁や床に付着していることが多いのが特徴です。これらの糞を見つけたということは単にゴキブリが通り過ぎただけではなくその場所が彼らにとって居心地の良い休憩場所や巣になっている可能性が極めて高く特に糞が一箇所に固まって落ちている場合はそこに定住しているコロニーが存在することを意味しています。なぜならゴキブリには決まった場所で排泄をする習性があり自分たちの住処や通り道に糞を溜め込むことで安心感を得ようとするからです。糞が見つかりやすい場所としてはキッチンのシンク下の収納スペースや食器棚の隅、冷蔵庫や電子レンジの裏側、炊飯器の下、コンセント周りなどが挙げられますがこれらはすべて彼らが好む暗くて狭くて暖かい場所という条件を満たしています。また本棚の奥や段ボールの隙間などにも糞が落ちていることがあり紙魚(シミ)などの他の虫の糞と混同されやすいですがゴキブリの糞は独特のカビ臭いような油臭いような不快な臭気を放つため鼻を近づければ区別がつきます。この黒い粒を見つけた時の精神的なショックは計り知れませんが重要なのはそこで感情的になって見なかったことにせず冷静に状況を分析することです。糞の量はそのまま生息数に比例しており数粒程度であれば侵入したての個体がいるだけかもしれませんが床が真っ黒になるほど大量の糞がある場合は壁の裏や機器の内部で爆発的に繁殖している危険信号です。糞は彼らの生活の痕跡でありそれを辿ることで隠された巣の場所を特定することができるため探偵のように懐中電灯を持って糞の落ちているルートを追跡し侵入経路や潜伏場所を突き止めることが駆除への第一歩となります。単なる汚れだと思って掃除機で吸って終わりにするのではなくそれが発する無言の警告を受け止め家全体を点検するきっかけにしなければなりません。黒い粒の一つ一つがそこに潜む敵の存在を主張しておりそれを見逃すことは敵に塩を送る行為に等しいのです。